夢を持って会社に入った新入社員の奮闘と挫折を、1話完結で見せていく。ドラマの中では営業職につきもののノルマや、上司からのむちゃな要望、さらには社内恋愛や他会社からの引き抜きなど、社会人ならではの難題が次々と太郎に襲いかかる。だが持ち前の明るさでそれらを打破していく姿はまさに「痛快」のひと言。【以上、学研刊「1980年代全ドラマクロニクル」(TV LIFE編集部編)より引用】主演の広岡瞬はこの年の1月から放送された『太郎の青春』(1980 NHK)でも主演の「太郎」を好演。同じ「太郎」という役名で同じように明朗一直線のキャラに挑戦した。脚本の杉江慧子は本作放送開始直後から行方不明となり、翌1981年6月、北海道の山中で白骨死体で発見され、自殺と判断された。一部資料では放送回数全22回と記載されているが誤り。
芸術選奨文部大臣新人賞受賞(市川森一)対象作品。銚子外川漁港。「港シネマの経営をすべてまかせます」という父万造(室田日出男)の手紙を読んだ猿田禄郎(西田敏行)は、10年勤めた漁船機関士を辞めて陸へ上がった。彼のこころはバラ色だった。ところが、港シネマに戻った禄郎を待っていたのは、「お前は映写技師をやれ」という万造の冷たい言葉。港町の「虹を掴む男」のドラマ。毎回、懐かしの映画音楽や名場面が劇中で使われた。「金曜ドラマの前シリーズの突然の明日が、高視聴率を上げて枠の存続が達せられた為、再びドラマの前衛の役割を担う作品が生まれた。市川森一は、二年後の淋しいのはお前だけじゃないで脚本家としての名声を得るが、港町純情シネマはその先駆けとなった作品で、今でも根強いファンを持っている。プロデューサー竜至政美、ディレクター高橋一郎、前川英樹、市川哲夫の金ドラの常...