原美千は、地方銀行の支店長の父と、妹千春の三人暮し。五年前に母を亡くしてからは、母親役もつとめる、女子高校生だ。彼女のクラスメートは、優等生の杉山健一、根は純情な不良学生津田亮三、チャッカリ屋の西条明子木剣に生きがいを感じる剣道部のキャプテン相川昌治など、みんな夫々に若さを謳歌していた。そんなある日、美千のクラスに新任の戸野村先生が紹介された。彼はモダンなセンスと明るいユーモアでたちまち生徒達の人気者となり、ブラック源氏と綽名をつけられた。美千はこの戸野村に教師以上の好意をいだき、ある日下宿に戸野村を訪ねた。が、そこには先客西条明子がいた。明子は自分の家の寺を下宿にするようにと勧めにきたのだった。戸野村は明子を帰すと、美千を街の喫茶店に誘った。そこにはウェイトレスとして動く美千の親友ユリがいた。ユリは私生児であることを悩み、ぐれて、街の与太者ブルにも...
東京の明道高校に転校して来た椎の木武志は、無口でニコリともしない一種独特の雰囲気をもっていた。そんな武志に級友の河合奈津子は魅かれていった。だが武志は頑に奈津子の視線を拒否した。ある日の夕方、路上で言い合っていた二人は、チンピラ大学生三人に言い寄られ、武志は思いあまって空手で三人を路上に倒してしまった。この出来事をきっかけに武志と奈津子はうちとけていった。それは女に嫌悪感をもつ武志と母親が生れつき憎いという奈津子に共通の世界があったからかも知れない。数日後、武志の行きつけの喫茶店“モンク”で待ち合わせた奈津子は、来合わせたあの日のチンピラ学生に強姦された。近くに住む国信先生につきそわれ自宅へ帰った奈津子は、母親富枝の叱責に耐えられず家をとび出した。翌日登校した奈津子は、国信先生の口からPTA会長千田夫人に伝わり、千田洋子が事件を知っているのに愕然とし...
江戸の街で次々と戌年の少年がさらわれる事件が起きた。
犯人は怪光線を放つ三つ目の鳥人と呼ばれる鳥の頭を持った黒マントの怪人。だが、その姿を見たものはいなかった…。
しかし、鈴之助が剣道を教える北町奉行の一人っ子も遂に影のようにあらわれた三つ目の鳥人にさらわれてしまい、しかもその事件の濡れ衣が鈴之助の身にふりかかり…。