渡瀬恒彦主演「十津川警部」シリーズ第16弾。今回は、十津川と亀井が寝台急行「銀河」で起こる完璧な密室殺人と、そこから広がる連続殺人事件の解決に挑む。綿密な時刻表を駆使した時間のトリックや、走る列車の密室トリックなど意外性のある展開はまさに西村京太郎ワールドの真骨頂で、トラベルサスペンスの魅力が満載だ。また、池上季実子扮する大阪府警の三浦警視と十津川との絶妙なやりとりも見どころ。
【ストーリー】
東京と大阪を結ぶ寝台急行「銀河」で、太田由美子(麻田かおり)という女性が殺害される。大阪府警は「銀河」の乗客で由美子の愛人井崎勉(大杉漣)を重要参考人として連行。厳しい取り調べを行うが、井崎は高校時代の友人である警視庁の十津川警部(渡瀬恒彦)に連絡を取りたいと、三浦理恵警視(池上季実子)に要望する。
三浦から要請を受けた十津川は亀井刑事(伊東四朗)と共に調...
東京郊外で、ホームレスの光岡(井之上隆志)によるバス爆破事件が発生。バスに乗り合わせていた男佐々木(安藤一夫)が瞬時に避難を呼びかけたおかげで乗客たちは爆発前に避難できた。しかし、車外に飛び出した佐々木は通りがかった他の車に接触してしまい不慮の交通事故で死亡する。警視庁捜査一課の主任刑事吉敷(鹿賀丈史)らの捜査が進むと、逮捕された光岡が取調べで「バスに火を点けるよう死亡した佐々木に頼まれた。」と供述。光岡が供述通り佐々木から報酬を受け取っていたことが立証され、証言が事実だと判明する。
その後吉敷は、佐々木の財布から発見された新聞の切れ端から、半年前に迷宮班行きにされた“東京湾岸ホテル墜落死事故”に佐々木が関与していると気づく。吉敷はその事故で墜落死した“山本一郎”と名乗る男(江良潤)と佐々木とのつながりを探るため鹿児島へ向かい、佐々木が常連だった...
鴨志田新一(伊東四朗)は、警視庁東王子署の警部補。別れた妻との間にもうけた娘岡崎真実(羽田美智子)は警察庁刑事局のエリート警視だが、鴨志田と真実が実の親子だということは、2人の職場の人間は誰も知らない…。
鴨志田は、姉小路行人の叔母三浦由紀子(田島令子)と弁護士の武居昭一(正名僕蔵)に誘われて、地元王子出身の人気マジシャン我妻弘樹(宮本大誠)の公演を観に行くことに…。我妻はイリュージョンマジックでは日本で第一人者らしく、アメリカに進出するため今回の公演は地元での“さよなら公演”なのだという。
なかなかのプレミアチケットらしくドレスアップしたセレブたちでにぎわう会場の中で、鴨志田はバッタリ真実と遭遇。真実は、高校時代の後輩であるネットニュース記者皆月純子(前田亜季)にチケットを取ってもらったという。
ところが、ステージのクライマックス、イリュ...
大阪の夢見通り商店街に春太は住んでいた。詩人志望で教材のセールスをしているが性格はお人好し。頭が大きくずんぐりむっくりで容姿に自信はなかったが、向かいの美容院で働く美人の光子に恋していた。ある日タバコ屋が地上げに絡んで暴走族に壊され、一人暮らしのトミ婆さんがショックで入院した。付き添って看病してくれた春太に息子の面影をみた婆さんは、財産を春太に譲るという遺言を残して死んだが、その紙切れは人目につかず掃除婦のおばさんに捨てられてしまった。中華料理店を営む広瀬家では夫婦喧嘩が絶えず、いつも春太が仲裁していた。また、パチンコ屋の娘理恵が妊娠し、相手の質屋の息子哲太と駆け落ちしたときも、二人がまだ高校生だったので、よき理解者として相談にのってやった。しかし、自分のこととなると駄目で、なかなか光子に気持ちを打ち明けられない。ようやく光子に故郷を連想させる波...
カード調査員小早川茜(片平なぎさ)はある日、茜は同僚の沢松染太郎(西村和彦)と共に、取り込み詐欺をした前田馨(あおい輝彦)を捕まえた。馨は1年半程前からカードキャッシングで多額の借金をしており、茜はクレジットカードの不正使用分を一括返済するよう馨に求める。一方、茜たちは加盟店から送信される利用者データの中に、カード詐欺師で“七変化のお徳”と呼ばれる人物らしき名前を発見した。ところが、防犯カメラの映像を見た染太郎は、お見合いパーティで知り合って交際を始めた女性三島絵理(中島ひろ子)が“お徳”であることに気付き愕然とする。染太郎は単独で絵理の調査を開始した矢先、絵理が“沢松徳子”という名で死体として発見された。染太郎に心当たりはないが徳子と自分が入籍していた事実も判明する。嫌疑をかけられた染太郎は茜と共に調査に乗り出す。
加山雄三や桑田佳祐をはじめ、これまで数々のミュージシャンや文化人などを輩出した「芸能の地」茅ヶ崎の秘密を独自の視点で探る音楽探訪記。桑田の中学時代の同級生で、「サザンオールスターズ」の名付け親としても知られる、洋楽ポップスのプロモーター宮治淳一。親友である桑田への還暦プレゼントとして、茅ヶ崎と芸能の関係性を探る映像作品の自主制作を思い立った宮治が、より多角的に茅ヶ崎を捉えるために人類学者の中沢新一と、「パーク アンド ラブホテル」で日本人初となるベルリン国際映画祭最優秀新人作品賞を受賞した映画監督の熊坂出に協力を依頼。過去に実際に起こった出来事のみならず、神話や伝説などと土地のかかわりを数万年規模でさかのぼる「アースダイブ」という手法で茅ヶ崎を探る中沢の姿や、加山雄三へのインタビューなどのドキュメンタリー要素、さらに宮地と桑田の学生時代を神木隆之介...
ある夜、東王子署管内の公園でCMタレント竹中伸枝(嘉門洋子)の死体が発見される。死因は薬物による中毒死で、彼女の所持していた手帳には『あの人のいない世界』という文字が記されてあった。
刑事たちは死体の状況から失恋による自殺説に傾くが、慎重な鴨志田新一(伊東四朗)一人は納得しない。
翌日、鴨志田は、伸枝の手帳にあった急成長を続けている総合エステ会社「美ハウス」のパーティに出掛けていく。そのパーティ会場に場で岡崎真実(羽田美智子)に出会う。
その会社の成長の陰には社長の矢後弘子(涼風真世)と衆議院議員の小出義和(浜田晃)とのきな臭い関係がうわさされており、真実はその件をひそかに探っていた。