川奈龍三が一代で築き上げた巨大自動車メーカーカワナ自工は、一層の成長を目指してアメリカオハイオ州に自社工場を建設しようとしていた。しかし、アメリカでは怒とうの進出を続ける日本車排撃の嵐、米自動車労組の反対に加えて、イタリアのレースでカワナのマシンが事故を起こしてドライバーが死亡するなど、様々な困難に見舞われる。
大手自動車メーカーカワナ自動車工業はアメリカオハイオへの工場進出をめざしますが、アメリカ自動車労連の反対運動などにより、部品を日本から運ぶノックダウン方式から現地共同生産方式に変更を迫られます。これを契機に社長川奈龍三(三船敏郎)、冬木専務(丹波哲郎)、野村専務(二谷英明)らの意思がぶつかりあい、その攻防は、冬木とは長いつき合いの山岡悠吉(鶴田浩二)が経営する部品メーカー山岡製作所を巻き込んでゆきます。さらに、カワナニューヨーク...
渋沢栄一の生涯を描いた城山三郎の同名小説から、青年時代を中心に脚色した長編。武州血洗島(現在の玉県深谷)の農家のひとり息子に生まれた渋沢が尊王攘夷、討幕思想をもて行動する姿の中に、したたかな農民気質を描いている。ドラマは討幕を志した栄一が奇縁から最後の将軍慶喜に仕え、さらに明治**にとりたてられるまでを描くが、とくに前半は栄一の行動を追うのに急で、人間栄一像が薄くなたのが惜しまれる
経済恐慌から五一五事件、東北大飢饉と騒乱の続いた昭和初期。「赤城の子守唄」「国境の町」などで流行歌手としてスターダムにのし上がった東海林太郎とその家族。彼らを軸に「昭和を生きたひとりの知識人の知られざる青春」と「昭和史のなかの家族」を豪華キャストと壮大なスケールで描く。1922(大正11)年。東海林太郎(滝田栄)は、大学の商学部研究科(大学院)で経済原論を専攻する、学究肌の学生だった。満鉄に勤める父大象(芦田伸介)と母は大連にいた。労働運動と農民運動が激化していた時代、太郎は社会主義者として名声を得ていた佐野学(山本圭)に傾倒。大学の同期には、労農運動の主要メンバーだった浅沼稲次郎(橋本功)や平野力三(松山政路)らがいたが、太郎自身は、運動に身を投じる気は無かった。翌年、太郎は佐野のすすめもあって父と同じ満鉄を入社した。この年には、声楽科の学生...
アメリカ第11回エミー賞優秀賞受賞作品。第22回日本テレビ技術賞受賞(録音)、同賞奨励賞受賞(撮影)作品。1982年度芸術祭参加作品。日本=フランス合作。浮世絵に魅せられた若いフランス人画家ビゴー。夢と希望に胸ふくらませ日本へ来た彼は、自由民権運動の渦中へ知らず知らず入り込んでいった。「音楽はドビュッシー作曲、冨田勲編曲演奏(シンセサイザー)で、「夜想曲」(1897-99)から第1曲「雲」および「ベルガマスク組曲」(1890)から第2曲「メヌエット」。ビゴー(イブベネトン)とます(水沢アキ)の別離のシーンの曲は、冨田勲オリジナル?。【この項、文:TATANKA】」【役名(演技者)】ビゴー(イブベネトン)、ます(水沢アキ)、中江兆民(菅原文太)、おれん(島田陽子)、仙太郎(矢崎滋)、伊吉[おれんの父、浮世絵師](花沢徳衛)。