関東松文字組の組長松山大三を刺殺した罪で18年の刑期を終えた巴組親分平戸寅次郎は、仁義を切る為に松文字組を訪れた。しかし、そこにかつての松文字組の姿はなく、大三の長男良多がもとの巴組の舎弟で現在、難波田組を襲名している吉野の乾分になり、次男健次はサラリーマンに、三男三郎は音楽学校に通っていることを知り、世の移りかわりの激しさに驚くのだった。
ヒットソングの映画化で「雁ちゃんの警察日記」の森田竜男と「危い橋は渡りたい」の監督八木美津雄が共同で脚本を執筆、八木美津雄が監督したメロドラマ。撮影はコンビの平瀬静雄。
見渡すかぎり青い海にかこまれた奄美の島々、大島紬の織り子しのぶは島で評判の美しい娘だった。東京から製糖工場の視察にやって来た志村康夫を知り互いに惹かれるのだったが、しのぶには島一番の無法者与那屋秀吾が想いを寄せていた。永く患っていたしのぶの母が突然他界し、ただ一人残された彼女にとっては康夫の優しい慰めこそかけがえのないものと思われ、乱暴な表現しか出来ない秀吾の愛情は迷惑なものだった。康夫が再会を約し離島して数日、しのぶに縁談が持ち上った。子供のない伯父夫婦がしのぶを養女にして紬問屋の息子と結婚させようというのだ。島の名物八月踊の夜、その相手はやって来たがしのぶの姿はなかった。康夫を慕...