警察庁長官官房総務課長というエリート警察官僚であった竜崎伸也(陣内孝則)は、息子の不祥事のため降格人事を受け、大森中央署署長に赴任していた。
膨大な書類のヤマへの判押しを繰り返していた着任間もない日、管内で強盗殺人という大事件が発生した。車で逃げた容疑者に緊急配備を敷き、刑事課、交通課、地域課の各課長らを署長室に待機させて自ら陣頭指揮を取り出した。副署長の貝沼(津村鷹志)をはじめ皆は反発の感情を抑えながら従った。
大森中央署が属する第二方面本部の野間崎管理官(鶴田忍)が、緊急配備に手抜かりがあったため容疑者を取り逃がしたと怒鳴り込んできた。話の通じない野間崎にあきれ果て、彼の上司である警視庁の伊丹刑事部長(柳葉敏郎)を電話で呼び出し、その手を借りて撃退した。居合わせた署の幹部たちは呆気に取られて見ていたが、伊丹とはキャリア官僚の同期というだけでなく、...
二渡(上川隆也)にとって、最も忙しい季節がやってきた。定期異動の時期である。この忙しい時期に、二渡は大黒警務部長に呼び出され急な任務を言い渡される。犯罪の多様化かつ増加で慢性的に警察官が足りない状態が続き、二渡の県警でも、人員増を余儀なくされている状態であった。しかし、大黒警務部長が、自分では警察庁に呼び戻されて異動すると思いこんでいたため、青山本部長(須永慶)に呼ばれて、人員増の要求書を県議会議員から、県議に提出してもらうことを怠っていたのだ。その不始末を二渡に押しつけてきたのである。かくして、この多忙の折りに二渡は、県議会委議員の矢村徹(石井愃一)の元へ、警察官増員の意見書を提出してもらうように要求しに向かうのであった。県議の元に到着した二渡は、思っていたとおりに矢村に拒否される。県警の不祥事が相次いでいる昨今、警察に味方するような意見書を提出す...