1952年5月6日。群馬県館林でカバン店「べにや」を営む内藤喜久男(井上順)と妻ミツ(吉行和子)の間に長女千秋(菅野美穂森迫永依)は産まれた。裕文(早川恭崇)、雅文(丸山歩夢)、智晴(加藤ローサ櫻井詩月)と二人の弟と一人の妹を持つ千秋を、肝っ玉母ちゃんミツは、体当たりで育てた。何よりも健康が一番と常に山盛りのごはんを食べさせる。そんな母の遺伝子をそのまま受け継いだ千秋は、幼い頃から活発で、男の子も顔負けのチャレンジ精神旺盛な女の子に育っていった。
そんな千秋が9歳の時。弟の裕文がペルテスという病に冒されていることがわかった。大腿骨の一部が壊死して骨が壊れていくという極めて深刻な病。その後ギプスをして不自由な生活を強いられることになった弟を見て、千秋は将来医師になることを決意。数年後千秋は、その夢の一歩として慶応大学医学部へと進学したのだった...
銀行支店の多額の融資のあげく突然の融資打ち切りで倒産した会社、東京シリコンの社長柳葉(石田太郎)が自殺した。しかもこの事件には裏があると何か秘密をつかんだ担当行員坂本(伊集院光)が、自分の車の中でなぜかハチに刺されて変死。その前任者だった本店の伊木遙(渡辺謙)は、副支店長西口(段田安則)や、銀行を恨む柳葉の娘奈緒(菅野美穂)の協力を得ながら、柳葉の会社がどんな計略の餌食になったか、悪の正体をさぐってゆく。
東京シリコンに融資が続けられたはずの多額の金が実は巧みに他に流れ、ある人物が操っていた。その追求の途上、凶悪な暴漢に襲われる伊木や西口、奈緒。やがて犯行が暴かれた支店長の愛人が絞殺され、支店長は謎の自殺。しかし一件落着と見えた事件の裏にはさらに意外な黒幕があり、気付いた伊木は幼い娘が誘拐される...。