江戸時代の徳川家光の治世時、寛永年間に入るとようやく安定しつつあったが、家光は太平の世に奢ることなく、武道奨励になお一層の力を注いでいた。寛永十年、江戸城の吹上御苑にて、諸国から選りすぐられた武芸者たちによる武芸試合が催された。世に言う寛永御前試合である。家光をはじめ、薩摩藩主島津家久(島津宰相)ら幕閣諸侯が臨席し、行司には将軍剣術指南の柳生但馬守宗矩、後見には柳生十兵衛三厳がいた。
幾多の試合を経て、薩摩示現流の南郷三兄弟の活躍は目覚しく、最強流派の栄誉に輝いた。家光が「薩摩示現流は日本一の剣」と褒め称えたものの、南郷三兄弟の次兄は「柳生新陰流と戦わずして日本一とは言えず、柳生十兵衛三厳殿とこの場で戦わせてほしい」と申し出る。宗矩は「柳生新陰流は将軍家お家流のため、他流試合は禁じられている」と断るが、島津宰相や南郷兄弟から「机上の剣法、逃げるか」...
『新必殺仕置人』(しん ひっさつしおきにん)は1977年1月21日から11月4日まで、NET → テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現松竹撮影所)共同製作のテレビ時代劇。全41話。必殺シリーズの第10作、中村主水シリーズの第5作である。
あらすじ
江戸。暦の寅の日になると「寅の会」なる句会が開かれる。これは表向きは句会を装いながら、金で殺しを請け負う殺し屋(仕置人)たちの寄り合いであった。句会では標的となる人物の名前が織り込まれた俳句が詠まれ、ここに集った仕置人たちが殺しの依頼を競り落としていく。念仏の鉄は巳代松(中村嘉葎雄)、正八(火野正平)、おてい(中尾ミエ)に自分を加えた4人でチームを組み、「寅の会」で競り落とした仕置きを行っていた。
そんなある日、句会でかつての仲間、中村主水の...
放送期間 1979年5月18日 - 1981年1月30日必殺シリーズの第15作、必殺仕事人シリーズの第1作、中村主水シリーズの7作目である。
放送期間 1979年5月18日 - 1981年1月30日
概要
中村主水を主役に、従来の主水シリーズでは登場しなかった元締の鹿蔵役に歌舞伎界の大御所である中村鴈治郎、妻子持ちの剣豪畷左門役に伊吹吾郎、血気盛んな飾り職人の秀役に三田村邦彦をキャスティング。平尾昌晃が久々に劇伴音楽の担当に復帰した。
序盤はキャストの頻繁な入れ替わりが発生しており、鹿蔵役の中村鴈治郎が体調不良を理由に降板。おとわ役に山田五十鈴を迎え、掟に厳しい元締の下で動く仕事人たちの緊張感に満ちたドラマを描くも、第21話で降板している。
半吉役の山田隆夫も本作品の放映延長に伴い、第26話を最後に降板。第27話と第28話は仕事の請負から、半吉がそ...
『新春仕事人スペシャル 必殺忠臣蔵』(しんしゅんしごとにんスペシャル ひっさつちゅうしんぐら)は、1987年1月2日の金曜日20:02 - 22:43に、朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現松竹撮影所)が共同製作テレビ朝日系列で放送された時代劇。主演は藤田まこと。 必殺シリーズの長時間スペシャル第8弾である。
概要
1986年11月より放映の『必殺仕事人V旋風編』の新春特別番組として製作された。仕事人たちが赤穂事件の裏で活躍したという設定で、元来の必殺シリーズと忠臣蔵では時代背景が違う。物語冒頭に藤田まことが登場し、この違いについて触れ「どの時代にも、主水的人物がいたと解釈してほしい」との説明を行った。赤穂浪士の一人寺坂吉右衛門が過去に仕事人の元締 上方の虎の配下の仕事人であった事実が明かされ、義士を脱盟した者たちの逸話に仕事人を絡めるなど、虚実...
必殺シリーズの第25作、必殺仕事人シリーズの第6作、中村主水シリーズの第12作である。
概要
『必殺仕事人V』の続編であるが、VIを付さず、以後、必殺仕事人Vの派生作品として、3シリーズが製作されることになる。
前作『仕事人V』は京本政樹と村上弘明の加入で、女性視聴者を中心としたファミリー層からの人気を再度得て、第二次仕事人ブームを起こした。しかし、映画『必殺! ブラウン館の怪物たち』の撮影中に京本が右足を骨折したことで本作の撮影に支障をきたすようになり、全26話で終了した。
この時期の必殺シリーズとりわけ主水シリーズは人気絶頂期であったものの、その人気に依存し後期必殺シリーズ支持層のニーズに迎合しすぎる内容の番組作りを何年も続けた結果、ドラマ部分が空疎化かつマンネリ化しつつあった弊害は否めず、製作陣は主人公たちを昔のようなプロの殺し屋として描くハー...
『必殺仕事人V旋風編』(ひっさつしごとにん ファイブ せんぷうへん)は1986年11月7日から1987年3月6日まで、テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に全14話が放送されたテレビ時代劇である。朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現松竹撮影所)の共同製作。主演は藤田まこと。
必殺シリーズの第27作、必殺仕事人シリーズの第7作、中村主水シリーズの13作目である。
概要
前作『必殺仕事人V激闘編』は初期必殺シリーズのようなハードボイルドな作風への原点回帰作であったが、第二次必殺ブームを支持した層からの支持は得られず、視聴率は低迷する。そのため本作は、再度路線変更し、後期必殺シリーズらしいコメディ要素やコミカルなシーン、放映当時の世相のパロディを多く盛り込んだ、娯楽色の強い作品となった。
主水は左遷された上に、上司の筆頭同心 田中に加え、...
テレビ東京にて1989年~90年に放送された南條範夫原作の時代小説「月影兵庫シリーズ」のドラマ化作品。
舞台は十一代将軍徳川家斉の文化文政期。時の老中松平伊豆守信明を叔父にもつ明朗闊達な美剣士月影兵庫と、彼を慕う旗本の一人娘桔梗、元スリで三枚目的キャラクター 合点の安の三人が東北地方を旅するうち、さまざまな事件に巻き込まれる。松平伊豆守の政敵牧野備前守忠精の陰謀との闘い、謎の剣豪幻一角との死闘を通じて、時には色模様あり、時には推理サスペンスあり、最後は兵庫の快刀乱麻を断つ活躍で事件を解決していく。
第1シリーズ:1989年10月13日 - 12月29日(全13話)
第2シリーズ:1990年10月7日 - 12月23日(全12話)
1960年代後半にテレビドラマで月影兵庫を演じた近衛十四郎の次男の目黒祐樹が敵役の幻一角を演じている。
第...
「必殺スペシャル」第5弾。なんと主水たちがアメリカ西部で活躍するという超異色編。有名な講談「天保水滸伝」とカスター将軍率いる第七騎兵隊全滅といった歴史上のエピソードが巧みに盛り込まれ、スペシャルらしい賑やかな内容となっている。ヤクザの抗争が渦巻く下総。祖母を惨殺されたお鹿(水前寺清子)は、母と共に仕事人を探しに江戸を訪れる。中村主水(藤田まこと)らは船で下総へ向かうが、辿り着いた先はなんと開拓時代のアメリカ西部であった。主水、おりく(山田五十鈴)、何でも屋の加代(鮎川いずみ)、西順之助(ひかる一平)、そして新たなに仲間として加わった組紐屋の竜(京本政樹)、花屋の政(村上弘明)と、お鹿の恋人次郎衛門(西郷輝彦)の運命は…!『必殺仕事人Ⅴ』開始の前週に放送されたパイロット版的な側面もあるスペシャルであり、『Ⅴ』でレギュラー入りする花やの政(村上弘明)...
池波正太郎原作の娯楽時代劇!
編笠十兵衛を演じる村上弘明の、男の色気を感じさせる華麗さと豪快な殺陣に圧倒!
元禄五代将軍徳川綱吉の時代を舞台に、隠密編笠十兵衛の活躍を描く。編笠十兵衛(本名:月森十兵衛)は、柳生十兵衛の血をひく剣の達人で、将軍家から「御意簡牘(ぎょいかんとく)」と呼ばれる葵の御紋入り天下御免札を携え、将軍直属の勅言係中根平十郎の下で、世間探索の仕事を行い、幕府政道の歪みを正すべく隠密活動している。しかし表面的には浪人であり、菓子屋を営む愛妻静江と一人娘千代とともに暮らす家庭的な夫であった。
物語は、池波正太郎原作に基づき、十兵衛が赤穂浪士の吉良邸討ち入りを助けて活躍する忠臣蔵秘話である。(全12話)
1、血煙り高田の馬場
2、吉原おいらん斬り
3、刃傷!松の廊下
4、大八車暴走す!
5、内蔵助乱れる!
6、吉良方武士道別れ道...
勝新太郎が一本気で正義感の強い父親を演じたドラマ。10年ぶりに再会した父と娘が、荒々しくも心温まる物語を繰り広げる。10年前に壱岐島を飛び出した奈緒子が、ひょっこりと島に帰ってきた。だが、父厳はかたくなな態度を崩さない。そんな中、町長選をきっかけに父娘の対立は深まり…。その昔、鬼が棲んだといわれた壱岐島には、“鬼とばし”という鬼を追い払う凧揚げの行事がある。奈緒子(樋口可南子)は10年前、“鬼とばし”をするかのように島を出て行ったが、この度ひょっこりと島に戻ってきた。島にひとりで残った父親の厳(勝新太郎)はフェリーの船長だったが、今は定年退職して一人暮らしをしている。厳は久しぶりに会った奈緒子に、優しい言葉ひとつもかけてやれなかった。そんな中、町長選を控えた島では、医者の岡村孝雄(遠藤太津朗)が立候補を表明。岡村の竹馬の友である厳は、もちろん彼を支...