勇次は3年前に刑事をやめ、家事をしながら趣味の発明に没頭する”主夫”。妻真紀子は警視庁鑑識課の係長だ。勇次の幼馴染で「ゴンドー運輸」副社長の三上が変死体で発見された。「ゴンドー運輸」には贈収賄疑惑が浮上していたが、社長の権藤、専務の九鬼は三上が独断で行っていたことだと証言していた。司法解剖の結果、死因は病死。だが、真紀子によれば遺体に不審な点が多く、他殺の可能性もあるという。勇次は三上の汚名を晴らすため、真相究明に乗り出す。
村松友視の「時代屋の女房」は1982年上期の第87回直木賞を受賞しています。前年には、つかこうへいの「蒲田行進曲」が受賞しており、なにか80年代の時代を感じる本です。ストーリー自体は東京都品川区の大井町駅に近い大井三つ又交差点にある古道具屋が舞台になっています。映画は時代屋という骨董店を営む渡瀬恒彦が演じる「安さん」と、夏目雅子が演じる時代屋の女房、真弓」が、俗に言う「涙と笑いのストーリー」を演じており、それに加えて津川雅彦が女たらしの喫茶店マスターをやっていて、なかなかいい演技をしています(この三人が絡み合っていて、なかなかいいですね!)。映像も少し都心から離れた、寂れつつある大井町の町並みをよく表現していると思います。
愛人が飛騨高山で滑落死した謎を解くサスペンス。大手商社に勤める営業課長の船越は妊娠中の妻知恵の父親で常務の菅野から部長昇進の内示を受けた。船越は愛人の房子に別れを告げるが、房子も妊娠3ヶ月で、どうしても産みたいと告白する。困った船越は課長補佐の並木にウソをつき、房子と飛騨高山へ不倫清算の旅行に出かける。そこで房子を説得し、何とか中絶させる承諾を取った。翌日出社した船越は、飛騨で房子の死体が見つかったことを知らされる。追求される身となった船越は、知恵も同じく高山に行っていた事を知るが…。【以上、ホームドラマチャンネル広報資料より引用】森村誠一の作家三十年を記念した土曜ワイドシリーズ五作品の一つ。当初、1996/02/17に放送されたが、途中で地震の報道番組のため1996/03/09に再度、放送しなおされた。