東京原宿表参道を舞台に、シラケ世代とは真反対の若者たちの熱いエネルギーのほとばしる姿を描く[2][3][6][7]。原宿は当時、日本で最もファッショナブルな街といわれ[8]、にわかに注目を集めはじめていた[9][10][11]。主人公八田広介(郷ひろみ)は、高級紳士 服店の社長(高橋昌也)の息子だが父と衝突して独立[8]。生活費を節約し、ファッション雑誌を読んで一流デザイナーを目指しているというトレンディドラマの先駆けのような設定。
企画
企画はTBSで12年間、歌謡番組を担当していたプロデューサー今里照彦[3]。今里にとっては初めて手掛けるドラマで[3]、今里が新御三家、花の高一トリオの中では一番、俳優としての素質が高いと評価していた郷ひろみ、西城秀樹、桜田淳子の3人をメインキャストに抜擢した[3][8]。3人ともかなり先までスケジュールが埋ま...
昭和14年。夫を戦地で失った寺崎かなえ(田中裕子)は、今は東京池上にある実家で母親里子(加藤治子)たちと生活している。かなえの弟庄一郎(勝村政信)は亡父と同じ商工省に入り、末っ子の菊江(田畑智子)はまだ女学生だ。ある日、かなえは津雲浩太郎(石堂淑朗)という初老の男が捨てていった原稿用紙を拾う。従兄弟の修造(萩原聖人)によれば、津雲は元大学講師で左翼の理論的指導者だった。だが、獄中で転向を宣言してからは娘滝子(小泉今日子)と世間の目を逃れるように暮らしているという。気になったかなえが原稿に目を通すと、それは書きかけの童話だった。結末が知りたくなったかなえは津雲の住所を調べて、彼を訪ねる…。