熊谷コンツェルンの会長熊谷紫(中村玉緒)と部下のOL花巻奈々子(さとう珠緒)は、知り合いの不動産屋に頼まれ、ある家をクリーニングすることになる。ところがその家は、2か月前に起きた主婦殺しの現場だった。殺された主婦甲斐君恵(星遥子)には多額の保険金がかけられていた。受取人は夫の真彦(宮下直紀)。夫婦の間でトラブルが絶えなかったとの証言もあり、警察は真彦を容疑者とみて取り調べていた。事件の跡が生々しい部屋を掃除し始めた紫は、そこにある家族写真の顔を見て驚く。真彦は学生時代に紫の家に書生として住み込んでいたことがあったのだ。びくびくしながら掃除を続ける紫と奈々子は、誰もいないはずの部屋で弁護士の鈴木省吾(伊藤正之)と鉢合わせしてビックリ。これは冤罪事件で真彦は犯人ではない、その証拠をつかんだと鈴木は言う。直後、鈴木は家の裏庭で刺殺されてしまう。
『盤嶽の一生』は、嘘が大嫌いで、騙されても、騙されても己の信念を曲げない浪人阿地川盤嶽の生き様をユーモアたっぷりに描く人情時代劇である。
原作の白井喬二は、大正~昭和初期にかけて大衆文学で人気を博した作家で、同作は昭和7年(1932年)3月~12月にかけて「オール讀物」にて連載された。
翌昭和8年(1933年)には、天才と謳われながらも、若くして戦地で没した山中貞雄が、大河内傳次郎の主演で映画化している。
この映画に、若き日に感銘を受けた市川崑が映像化を切望し、全10話から成るテレビシリーズとして実現したのが、本作である。
山中が撮った映画はフィルムが現存しておらず、本作では山中自身の手に依るシナリオからエピソードを拾うことで、オマージュが捧げられている。
市川自身が手掛けたのは、第1、2話で、大胆なワイプ、紅葉をバックにしての立ち回り、スローモー...
『刑事の証明』(けいじのしょうめい)は、2008年から2015年までテレビ東京BSジャパン共同制作で放送された刑事ドラマシリーズ。全9回。原作は森村誠一。主演は村上弘明。
原作 森村誠一「死刑台の舞踏」
主題歌 (エンディングテーマ:坂本冬美「こころが」(EMIミュージックジャパン))
広瀬和宏(警視庁捜査一課三係班長警部) 村上弘明
那須恵一(警視庁捜査一課管理官警視) 加藤剛
公園で男の遺体が発見された。現場に駆けつけた警視庁捜査一課三係班長の広瀬和宏(村上弘明)は、被害者の顔を見て衝撃を受ける。高校時代の同級生勝又茂久(紺野相龍)だったのだ。勝又はどこか別の場所で撃たれた後に公園に運ばれたものと見られ、胸ポケットからは「R18」と印字された紙が発見される。
赤川次郎氏の同名小説を、『すかんぴんウォーク』の丸山昇一が脚色し、井筒和幸監督が映画化したユーモアミステリー。母の贖罪の為、コールガール殺しの真犯人を探さなければならなくなった女子大生の姿を描く。母が亡くなり、ひとりぼっちになってしまった女子大生の加奈子。母は北里産業という巨大コンツェルンの会長であった。加奈子には、その後を継いでゆく重責が待っていた。しかも、死の間際の告白から、かつて母はコールガール殺人事件を目撃したが、加奈子を殺すと脅迫されて無実の人間に罪をきせていたことを知った。はからずも加奈子は、真犯人探しの役目まで背負わされてしまったのだった。家の中で、次々に行われる殺人。魔の手は、加奈子にも迫ろうとしていた。
「晴れ、ときどき殺人」に続く、赤川次郎=渡辺典子のコンビによるミステリー第2作。赤川作品らしい、女子高生が活躍する作品。平凡でキュートな18歳の少女の高校生活最後の夏休みに父親が失踪し、彼女の周りには何やらミステリアスな影が忍び寄ってくる。