調査官広川(上川隆也)は、中信濃支部へ転勤となった。隣の美和支部には先輩の小田調査官(麻生祐未)がいて、久しぶりの再会も楽しみだ。広川の初仕事は、赴任途中に目撃した少年五人組のオヤジ狩りだった。仲間の少女ミチ(近藤綾子)が、携帯電話のメールで中年男性を誘い出し、金を巻き上げる手口。何と二件目の被害者は、ミチの父親(大谷亮介)だった。また広川は、元調査官だった沢田(小林桂樹)と知り合い、その家に住むことになった。少年犯罪を生み出しているのは、自分さえよければいいという大人たちではないのか…との視点で矢島正雄脚本岡崎栄演出は、オーソドックスに紡いでゆく。上川と麻生の呼吸もいい。【以上、朝日新聞2002/08/17付「試写室」より引用(署名あ)】。各話サブタイトルは以下の通り。第1回「オヤジ狩り」、第2回「なぐられる人」、第3回「再逮捕」、第4回「父...
上野家は末っ子の鶴夫以外は女性ばかりで、菊子を筆頭に梅子、桜、あやめと賑やかな、明るい一家である。チャッカリ者の三女桜はとうにかたずき、四女のあやめも自分で好きな男性野村を見つけ、結婚式を間近にひかえていた。ところが、言葉使いは乱暴だが器量よしの菊子、梅子は結婚とは縁がなさそうである。菊子は父の死後歯医者を開業し、梅子は看護婦兼事務係として一家を支えているのであった。母の秋は毎晩、晩酌をしては陽気に騒ぐ菊子や梅子を見ては心配していた。そのため伯父の島田と共謀して、雑誌に花婿の募集広告を出してみたが、逆にふたりから一喝を食う始末であった。だからといって菊子は別に男嫌いというわけではなかった。歯の治療に来て、バカみたいに大口をあける患者をみると、男が馬鹿にみえることも事実だが、いい男を見ればやはり心が動いた。伯父が内証で菊子のために会社の部下工藤を治療に...
日本が幕末以来の「激震」に襲われた「1945年8月15日」。本作は、日本人にとって忘れることができない、あの終戦の詔勅をめぐる激動の一日にスポットをあてた群像劇。「日本でいちばん長い日」…その日、歴史はうねり、揺れ、軋みながら涙を流した…。ドラマは、陸軍省、宮城、日本放送協会の三つの舞台で描かれる。鈴木貫太郎内閣の陸軍大臣阿南惟幾が迎える最期の一日。皇居乾門をゆく近衛師団の反乱!さらには、玉音放送阻止に狂奔する青年将校たち。その日歴史の現場にいて事件を目撃した3人の女性の証言によってドラマは展開する。歴史の「語り部」となった3人の女性を、檀ふみ、中野良子、大竹しのぶが演じ、ナレーションも担当。物語のカギを握る阿南陸相に小林桂樹、その妻に香川京子、将校役に竹脇無我、高橋幸治、田村亮、柴俊夫、鈴木貫太郎首相に西村晃が扮した。1945年(昭和20年)8月...
筋肉が萎縮してしまうハンチントン舞踏病という難病に冒された少女が病と闘い、死に直面しながらもけなげに生きようとする日々をつづった感動作。この難病に冒され、21才で亡くなった実在の少女の詩集「父ちゃんのポーが聞える」をもとに映画化された。小林桂樹扮する機関士の父親が鳴らす愛の汽笛が心を打つ。